皆様、こんにちは。

日本組織開発推進協会JAPEOブログ編集局です。

今日のブログは、「デザイン思考(デザインシンキング)」によって生み出されたイノベーション

の事例第2弾として、USBメモリーを取り上げていきたいと思います。

いわゆるデザイン思考ではイノベーションは生まれない!?

USBフラッシュメモリーは、米国のデザインコンサルティングファーム、

Zibaのビジネスデザイナー、濱口秀司氏がコンセプトを発案したと知られています。

濱口氏は、雑誌に投稿した論文の中で、

いわゆる「デザイン思考」では、イノベーションは生まれない。
(ハーバード・ビジネス・レビュー2016年4月号 デザイン思考の進化)

と主張しています。

ここでいう、いわゆる「デザイン思考」とは、

ビジネス上の問題解決を、異分野の人々が再現性のあるプロトコルを用いて

解決しようとするもの」で、

デザイナー以外のためのユーザー中心のデザイン」が「デザイン思考」と

定義しています。

デザイン思考と正反対のプロトコルによるデザイン思考!?

デザイン思考はイノベーションを創出する思考法と喧伝されていたのに、

イノベーションは生み出さないって、どういうことなんだ??

と思われた方も多いかもしれません。

濱口氏は、論文の中で、ビジネスにおけるイノベーションは、

次の3つの要件を満たす必要があると言っています。

1.見たこと、聞いたことがない。

2.実行可能である。

3.議論を生む(賛成、反対)。

一般的なデザイン思考のプロトコル、「ニーズの本質をつかむ」⇒

「アイデアをたくさん出す」⇒「アイデアを絞り込む」といったステップでは、

既存製品や既存サービスの改善・改良には十分に有効だが、

3つの要件を満たしたイノベーションは生み出さないと判断したのでしょうね。

見たこと、聞いたことがない」というイノベーションは創造されないということでしょう。

では、どのようなプロトコルでイノベーションは生まれるのか?

濱口氏は、一般的なデザイン思考とは正反対の、逆方向に向いた、

次のようなプロトコルでイノベーションは生まれると書いています。

「(プロの企画者たちが陥る)バイアスを発見する」⇒

「バイアスを破壊するアイデアを生み出す。」⇒

「ニーズを付加する。」⇒「意思決定を行う。」

このプロトコルは、一般的なデザイン思考ではなく、いわば、

逆方向のデザイン思考”、“逆張りのデザイン思考

と表現できると思います。

3つのバイアスを破壊して生み出されたUSBメモリー

濱口氏は、この“逆方向のデザイン思考”、“逆張りのデザイン思考

で生み出されたイノベーションの例として、USBフラッシュメモリーを示しています。

USBメモリーの開発当初、企画者たちには次の3つのバイアスが存在していました。

1.顧客経験のバイアス

2.技術的バイアス

3.ビジネスモデルのバイアス

1の顧客経験のバイアスとは、1998年当時、インターネットの台頭によって、

大きなデータを保存する「器」は、形のないインターネットが担うというバイアスです。

2の技術レベルのバイアスとは、USBメモリーをPCに差した瞬間に起動するために

ドライバーインストール画面をなくすことは不可能といった、

フラッシュメモリー専門家のバイアスです。

3のビジネスモデルのバイアスとは、USBメモリーは、PCに差して保存するといった

ユーザーの行為的にも提供価値としても従来のフロッピーデスクの延長線上にあり、

難なくユーザーに受け入れられるだろうといった売り手側のバイアスです。

USBメモリーの開発は、上記3つのバイアスを発見することから始まり、

それらのバイアスを、ブレインストーミングで破壊しつつ、

生まれた新たなアイデアから創造されました。

バイアスを破壊するブレストって想像つかないですけど、論文によれば、

まず、どんどん出された数多くのアイデアを、ある切り口を見つけて分析し、

1つの包括モデルをつくります。ここまでは、デザイン思考のブレストと同じですね。

違うのは、次の過程です。

いったんつくった包括モデルを破壊し、新たなアイデアを生むブレストの過程が入ります。

左脳的な論理的思考と右脳的な創造思考の他に、中間的なカオス的な思考が必要と

書かれています。

アイデアをひとつにまとめる作業というよりは、敢えてカオスを作り出し、

誰もが考えもしない新たなアイデアをつくっていくブレストのようで、

ファシリテーター役の人は大変だなあと思います。

プロトタイピングとテストでニーズを付加し、意思決定を促す

USBメモリーは、そのようなブレストによってバイアスを破壊し、

新たに作り出されたアイデアをもとに、ニーズを付加してプロトタイピングされ、

プロトタイプをテストマーケティングすることによって、

意思決定を促すエビデンスを集め、開発・販売に至りました。

濱口氏は、一般的なデザイン思考のプロトコルでは、

なかなかイノベーションが生まれず、懐疑的になっているが、

真にイノベーションを創造するには、バイアスを破壊する、

逆方向のプロトコル、逆張りのデザイン思考こそ必要と唱えています。

まさに、「デザイン思考を超えたデザイン思考」と言えるでしょうか。

破壊的なイノベーションを起こすには、バイアスを破壊しなければならない、

そういったデザイン思考のプロトコルも重要だと痛感しましたね。


デザイン思考の可能性と魅力、ご理解いただいたでしょうか?

デザイン思考は、組織開発組織活性化健康経営持続的に繁栄できる組織創りにも

有効です。組織イノベーションの創造、組織レジリエンスの強化に優れた思考法です。

何かデザイン思考について、もっと知りたいとか、

ご要望ご意見がありましたら、是非、お問い合わせいただければと存じます。

イノベーションを創出するデザイン思考、体験してみませんか?

JAPEOでは、2017年11月18日に、スタンフォード大学d-schoolで学び、

現在はシリコンバレーで活躍され、UCバークレーでデザインシンキングの教鞭をとる、

デザイン思考のスペシャリスト、クリスティーナ・ジェンキンス氏を講師に迎え、

シリコンバレー発!最強最速でイノベーションが湧き出る思考術!
『デザイン思考ワークショップ』』を開催します。

さまざまな役割をもったキャラクターがブレストしてアイデアを出し合い、

その中の突拍子もないクレイジーなアイデアが、一つの価値あるものに出来上がる過程、

その思考法の醍醐味を、本場シリコンバレーの講師指導の下で是非、体験してみませんか!

セミナーの詳細は、下記のバナーをクリックしてご参照くださいませ。

JAPEOでは、定期的に配信するメルマガで、

ストレスマネジメントに関する情報をはじめ、健康経営や繁栄型組織開発に関する

役立つ情報も配信しております。

JAPEOメルマガ通信にもご登録いただければ幸いです。